スペイン内戦に参戦した日本人・ジャック白井の実像を追ったノンフィクション。先日の『中村屋のボース』は「日本に来たインド人」の話だったが、こちらは「スペインに渡った日本人」。近代に、国家のあいだを渡り歩いた人の話は実に興味深い。
ボースが政治活動家として、また家庭人として一応幸せな生涯を過ごしたのに対し、ジャック白井は「一戦闘員」。それも孤児として生まれ、日本を飛び出さざるを得なくなってアメリカに渡り、スペイン内戦を知ってまた、それまで身につけてきた思想のためにそこに行って戦わざるを得なくなった。そして戦死する。止むにやまれず追い詰められていったともいえなくもない。
著者の石垣綾子というのも実に変わった人で、この人の評伝はまた読んだら紹介するが、ともかく石垣綾子が直接接したジャック白井の姿がすごく瑞々しく描かれている。なんとも人なつっこく、シャイで、一本気。だからこそスペインまで戦いにいってしまう。ここがこの本の一番の読みどころだろう。
もう一つおもしろいのは、ジャック白井がアメリカに渡ったときに料理人になったことである。そして料理人であることは、スペインに行ってからも大きな意味を持つ。戦いの途中に休暇をもらえるシーンがあり、そこでスペインの民衆と仲良くなるのだが、料理人であることでジャック白井はもっとも人々に愛される。戦いの最中でもそうで、彼がもっとも重宝されたのは炊事場であり、誰よりも頼りにされる。本人は戦いたくてしょうがなかったらしいが。
つまり、このような限界状況だからこそ、「食」が大きな意味を持った。何もなく見知らぬ国に渡るには「料理人」になるしかないのであり、また「料理人」だからこそ戦争で「役に立つ」。人にも愛される。戦士ではなく、料理人だったことに、ジャック白井のおもしろさがあるのだと思う。
ボースが政治活動家として、また家庭人として一応幸せな生涯を過ごしたのに対し、ジャック白井は「一戦闘員」。それも孤児として生まれ、日本を飛び出さざるを得なくなってアメリカに渡り、スペイン内戦を知ってまた、それまで身につけてきた思想のためにそこに行って戦わざるを得なくなった。そして戦死する。止むにやまれず追い詰められていったともいえなくもない。
著者の石垣綾子というのも実に変わった人で、この人の評伝はまた読んだら紹介するが、ともかく石垣綾子が直接接したジャック白井の姿がすごく瑞々しく描かれている。なんとも人なつっこく、シャイで、一本気。だからこそスペインまで戦いにいってしまう。ここがこの本の一番の読みどころだろう。
もう一つおもしろいのは、ジャック白井がアメリカに渡ったときに料理人になったことである。そして料理人であることは、スペインに行ってからも大きな意味を持つ。戦いの途中に休暇をもらえるシーンがあり、そこでスペインの民衆と仲良くなるのだが、料理人であることでジャック白井はもっとも人々に愛される。戦いの最中でもそうで、彼がもっとも重宝されたのは炊事場であり、誰よりも頼りにされる。本人は戦いたくてしょうがなかったらしいが。
つまり、このような限界状況だからこそ、「食」が大きな意味を持った。何もなく見知らぬ国に渡るには「料理人」になるしかないのであり、また「料理人」だからこそ戦争で「役に立つ」。人にも愛される。戦士ではなく、料理人だったことに、ジャック白井のおもしろさがあるのだと思う。
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