絵日記 日日平安 『流浪の月』凪良ゆう
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『流浪の月』凪良ゆう

 今回の「本屋大賞」候補作を1冊も読んでいなかったので、昨日は大賞受賞作を一気読み。在宅ならではの読書である。

 読書一郎さんいわく「個人的にはこの中でいちばん好きな小説なのですが「読んで前向きになる」という話ではなく、ちょっと本屋大賞のテイストとは合わないかなあ、と思います」(→http://ci5.blog20.fc2.com/blog-entry-2164.html)ということだったが、テイストが違っても選ばれてしまう強力な力と魅力を持つ素晴らしい作品で、「いちばんの読書人」である書店員の人たちには確かに響いたのだと思う。

 それはやはり「世の中のいう正しさ」や「善意」が「ウェブ言論の暴走」とともにどんどん巨大化していることに対する違和感であり、「性の暴力」と「言葉の暴力」からへの逃走劇であるこの小説と、小説の主人公たちの逃げ込む「楽園」が、意外と普通に支持されていることの証拠なのだと思う。

 といった小難しい話もそうだが、「ロリ時代に好まれて、その時代が終わったら捨てられてしまう」女の子の悲劇というのは身近にたくさんあり、それこそロリコンになってしまった男側の「身勝手な愛情」が生む不条理はたくさん描かれてきた(佐藤正午『取り扱い注意』(身勝手な性愛)、東野圭吾『白夜行』(性暴力)など)が、この小説の凄いのは、「その先」を描いていることである。男の一方的な性趣向や偏愛までしか描けなかったこれまでの小説からもう一歩先へ……。成長できないで「母」に引っこ抜かれる「トネリコ」の象徴があまりに直接的だが、その分あまりに刺激的すぎる。

 そういう過激な、過渡的な名作だと思う。読書さんのいう『門』(夏目漱石)的、日本文学の王道路線(への回帰?)という意味でも重要な作品である。(管理人)

20200412
在宅の夜長はDVD。というわけでようやく『Kazumasa Oda Tour 2019 ENCORE!! ENCORE!! in さいたまスーパーアリーナ』をみた。
久しぶりみるとやっぱり素晴らしく、思い出も詰まっていたりで、見入ってしまった。こんな状況だからこし、来年はツアーをやってほしい。
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[ 2020/04/12 17:21 ] | TB(0) | CM(2)
ホント、この作品の受賞は嬉しい誤算です。圧倒的傑作ですよね。男の人が「いい人」なので、ロリ男小説とは少し違いますね。
ちなみにロリ男ものの元祖は『源氏物語(笑)。日本の男は昔からダメだった…
[ 2020/04/12 23:37 ] [ 編集 ]
あ、『源氏物語』(笑)。忘れてましたね。

[ 2020/04/13 12:01 ] [ 編集 ]
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