絵日記 日日平安 戊辰戦争150年
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戊辰戦争150年

 数年前、東北の被災地を巡る旅の途中、会津若松市で50年近く出版社を経営している社長を表敬訪問したことがあった。80代半ばにしてバリバリの現役編集者である社長は戊辰戦争の歴史を問う雑誌を発行しており、「官軍」に敗れて維新後も差別された会津人の「怒り」を発信し続けている。

 日本の首相は今年の年頭所感で「明治維新150年」を謳ったが、まさに明治維新は「勝ち組」の史観であり、会津では同じ今年を「戊辰戦争150年」として、記念イベントをどんどん打ち出している。同じ日本でもここまで正反対の歴史観が対立するのも不思議な感じだが、最近「明治維新の過ち」といったテーマの書籍が非常によく売れており、150年経ってようやく「負け組」の史観、価値観が注目を浴びるようになったといえる。

 歴史家・網野善彦氏によると、「日本」という国名が最初に出てきたのは7世紀末で、8世紀から9世紀にかけて東北が侵略され、平安時代の12世紀にようやく東北の最北部が日本に組み入れられたという。そもそも縄文以来の伝統を伝える列島東部と、朝鮮半島や中国大陸から数十万の人々が流入した列島西部では文化も社会制度も異なっており、同じ日本といっても複雑な人種、民族が入り混じっているのが事実である。そこを「明治維新」という、いってみれば日本の西部の薩長というごく一地域の「少数」の人たちがつくった価値観を全国に押しつけたのだから話は大変なことになる。その価値観からあふれ出る人たちはその何十倍もいるのであり、一度あがった非・薩長史観の「声」はもう絶えることはないだろう。

 件の社長は面談の最後にこう言った。「まだまだこれからです。歴史はきちんと解明していかなければ……」――50年間歴史を問い続けて、まだまだスタートラインだという80代半ばの人の言葉はあまりにも重かった。(管理人・某誌より転載)
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[ 2018/02/23 14:01 ] 日記 | TB(0) | CM(0)
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