絵日記 日日平安 2019年10月
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原点

 先日、イラストレーターの和田誠氏が亡くなった。和田氏がどれくらいすごい人なのかここで書くことは到底無理であるが、一番わかりやすい作品はタバコ「ハイライト」のパッケージデザイン「週刊文春」の表紙絵であろう。ただ、和田氏の個性はこの二つよりも、俳優や監督などの映画人やジャズミュージシャンなどのポートレイト、つまりは「その人の個性を切り取った人物画」にあると思う。

 僕自身が最初に本をつくったとき、装丁をお願いしたのが和田氏だった。もちろん、昔からの憧れの人であり、「1回会ってみたい」というのが主な(ミーハーな)理由だったが、本をつくったこともなく、転職して出版社に入ったとはいえ、単なる営業担当の人間がいきなり本をつくるには社内に敵が多すぎた。だから、もっとも説得力があるのが「和田誠に装丁を頼むこと」だったのである。

 もちろんそんな理由だけで頼んだのではなく、その本(或る人の人物伝)に最も必要だったのは「人物画」であり、最初の表紙の候補だったその人の人物写真よりも数段よいものになることを確信して駆け込んだのである。
 和田氏はそんな願いの数倍もよいイラストと装丁でそれに応えてくれた。十数年後、氏が自らの装丁を紹介した著作にその本が掲載されていたので、本人も気に入っていたのだと信じたい。

 氏の長男でミュージシャンの和田唱氏がツイッターで書いている。

「……親父はキャンプとか釣りとかスポーツとは無縁で、その辺のことは一切教えてくれなかった。お陰で俺はインドア派だし、スポーツのルールも大体知らない。でも親父は映画を教えてくれた。ジャズを教えてくれた。ルールに縛られないこと、好きなものは好きでいいこと、自分がこうだと思ったら貫くことを教えてくれた。お陰で俺は幸せな人間だ」


 まさに氏のすべてをあらわしている言葉である。合掌。(管理人)

20191029
最初につくった本
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[ 2019/10/29 16:25 ] 日記 | TB(0) | CM(5)
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