絵日記 日日平安 2019年06月14日
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『終わった人』その2

 今日、11時頃会社に着いたら、すれ違った元部下の女性に思いっきり爆笑された。「昨夜飲み過ぎて遅刻」だと思い込んでいる。「おいおい、人身事故だ」といってもまったく信用してくれない。オオカミ少年とはまさにこのことだ(笑)。

 事故は飛び込み自殺なのだが、なんと起ったのが僕の乗る駅で、6時38分。いつもの電車(会社近くのベローチェに7時30分に着く電車)は6時39分発なので、それなら目の前で事故を目撃したことになる。しかし、「昨夜飲み過ぎて遅刻」(遅い電車に)したおかげでそんな目に遭わなくてすんだ。

 というわけで『終わった人』の第2回。

 主人公が63歳で退職して9か月間、まったく「いらない人」として無為に過ごす。ところがひょんなきっかけから、新進のIT企業の顧問に迎えられ、まさに甦る。
 そのとき、同級生でボクシングのレフリーを現役でやっている友人に「ジジイはうつるから」といわれ、主人公は「だからこいつは無為に過ごしていたときの俺には近寄らなかったんだろう」と納得する。

 というシーンがあるのだが、まったくこの小説というか内館牧子の作品はこういう感心するエピソードが多い。「ジジイがうつる」のはまさにそうで、たとえばいまの自分の会社に長時間いたら、社員たちの「ため息」や「不幸」や「不運」がうつりそうだし、神田なんてしけた場所で飲んでいたら「貧乏」がうつる。不平不満ばかりいうマイナス言語の人間と飲んでいたら「ため息」も「不平不満」も「不幸」「不運」「貧乏」すべてがうつるし、そういう意味でその人がいる環境はすべてその人の運命を左右する。

 今朝、スカイライナーに飛び込んだ人のことはまったく他人事ではない。そんな朝である。(『終わった人』の項、つづく)(管理人)
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[ 2019/06/14 11:49 ] | TB(0) | CM(0)
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