絵日記 日日平安 2016年07月
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『後藤の語!』後藤浩輝

 昨年亡くなった後藤騎手の雑誌連載がようやく本になった。

 2010年1月から2014年3月という期間で、この期間というのがあまりにも重い。2010年1月の史上最悪の落馬事故(9頭落馬)からはじまり、NHKマイルカップの落馬(シゲルスダチ)での頚椎骨折、その後復帰初日の落馬(さらに頚椎骨折)、そこからの復帰……。

 2014年3月で終わっているのは、4月にまた決定的な落馬(ジャングルハヤテ、再び頚椎骨折)をしたからで、これ以降の言葉はもうない(この3回目の骨折から再び復帰したが、その後落馬し、自死を選ぶ)。

 だからこの本に載っている言葉はすべてが重く、まるで長い長い遺書のようだ。いつもいつも苦痛(落馬負傷の痛みだけでなく)と闘って人の期待に応えようとする姿や言葉それぞれがすべて「痛い」。読んでいるあいだじゅう緊張してしまう。

 特に2度目の頚椎骨折からの復帰直前の文章、すべての人に「ごめんなさい」と「ありがとう」を綴る箇所は真面目に涙なしでは読めなかった。

 この本の冒頭、9頭落馬事故のあと、内田騎手たちとの会話が記されている。

 みんなで話すうち、「本当に誰も死ななくてよかったね」「うん、それだけだね」なんて話になった。自分ひとりのためなら死ねる。でも、守らなければいけない「何か」があると「死んじゃいけない。死にたくない」と思う。


  「自分ひとりのためなら死ねる」――彼が最後に選んだのは、ようやく「自分ひとり」のため、だった。重い重い肩の荷を下ろしたのだと思う。(管理人)

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[ 2016/07/29 12:28 ] | TB(0) | CM(0)
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