絵日記 日日平安 2014年06月
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『荒地の恋』ねじめ正一

 「詩」がどれくらいの力を持っていたのか。僕にはさっぱりわからないが、田村隆一、鮎川信夫、北村太郎の、つまりこの小説の時代は間違いなく言葉の力は健在だった。

 「荒地」という言葉にピンとくる人間はいまはほとんどいないだろうが、少なくとも僕はそういう名前の出版社と関わったことがあり、その会社の一員としてお願いした某有名装丁家の人は「荒地出版社」のファンで快く注文を受けてくれた。

 そういう背景とは無関係に読んだのがこの小説。上記の詩人、北村太郎が田村隆一の妻を寝取ったところから物語は始まる。物語というより、実話の小説化なのだろうが。

 北村は当然、家族を捨てたりして完璧な「文人」であるのだが、その行動はむしろ清々しく快く思えたりする。家族を捨て、出奔した田村の妻には捨てられ、でも新しい恋人ができて貧乏ながら愛と性に溢れた人生をまっとうして新しい恋人に送られて早死にする。まさに「理想の人生」である。

 ほんの少しでも「荒地」という名前に関わったことをいまは感謝しよう。(管理人)
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[ 2014/06/30 20:06 ] | TB(0) | CM(0)
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