絵日記 日日平安 2013年12月
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『下町ロケット』池井戸 潤

 最近文庫に入った直木賞受賞作を一気読み。傑作。

 物語の前半は、同著者の『空飛ぶタイヤ』(→ http://ci5.blog20.fc2.com/blog-entry-1217.html)のように進む。大田区にある精密機械製造メーカーがブラック企業から特許侵害で訴えられ、取引先からも銀行からもそっぽを向かれて「倒産」への道を歩みだす。日本のほとんどを占める弱小企業なんて吹けば飛ぶようなもので、ひとつの歯車が欠けただけで、一人の悪意が動くだけであっという間に倒産の危機を迎える。じつにリアルな話で、結局日本における「勝ち組」とは「大企業へ滑り込んで幸運にも出向を命じられずに一生そこに所属できる人」なのであり、僕はそういう人との付き合いはまったくないし、あったとしても「勝ち組」になった瞬間付き合いはなくなる。「住む世界が変わる」とはまさにそのことだ。

 と話は逸れたが、物語の後半は、なんとか倒産を逃れた「弱小企業」が、その持てる技術で「勝ち組」大企業と闘い、「ロケットの部品メーカー」になれるかどうかを描いていく。発刊&受賞当時も「日本のものづくりに勇気を与える」的な絶賛を受け、もちろんそれには大賛成なのだが、「弱小企業」と「大企業」さらに「銀行」や「役所」、「自営業(フリー)」等々、最近、「所属している場所における人間の価値観のあまりの違い」に愕然とさせられることが多く、まさに「別人間」「別人種」たちとどう渡り合っていけるか、逆にどう無視してどう引きこもれるかということを考えてしまう。そしてそこに必要なのは結局最後は「個人の技」でしかない。そういうことを考えさせられる小説である。(管理人)
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[ 2013/12/31 12:15 ] | TB(0) | CM(0)
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