絵日記 日日平安 2013年10月26日
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『競馬漂流記  では、また、世界のどこかの観客席で』高橋源一郎

 『活字競馬』北上次郎(競馬王新書)→http://ci5.blog20.fc2.com/blog-entry-1140.html の紹介で、集英社文庫に入った名著。

 北上氏の解説によると、本書(ギャロップ連載)のルーツは山口瞳『草競馬流浪記』にあるという。高橋源一郎はそれを「世界の競馬場」へ展開する。しかも全部「自腹」で。
 たしかに、雑誌の原稿料で世界の競馬を取材できるはずがない。

 これも解説からの引用(亀和田武氏の孫引き)になるが、「(名著『草競馬流浪記』に)一点だけ違和感を抱くのは、どこの地方競馬場へ行っても用意された貴賓席でしか競馬観戦をしていないことだ」とある。そんな山口瞳氏とはまったく対照的に、高橋源一郎は「格安チケットを握りしめて」「世界中の競馬場を」「ただの観客として」歩き、賭ける。
 それも、ロンシャンやエプソム、シャンティイ、チャーチルダウンズとかの有名競馬場だけでなく、たとえばトリクメニスタンなんてまったく想像もつかない国で黄金の馬アハルテケに出会ったりする。

 この手の本の愉しみは、一読すると知らないカタカナ単語が6割くらい出てきて「読みにくいな」と思いつつ行ったり来たりして読み通していくと、その単語がだんだん「愛すべきものを示す名詞」になっていく過程だ。昔の馬や調教師、世界のどこかにある競馬場や歴史上の人物の名前など、ただのカタカナの並びがいつのまにか身体に入ってくる。まさに世界が広がる瞬間で、競馬好きでなくても必読の名著、である。(管理人)
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[ 2013/10/26 14:46 ] | TB(0) | CM(0)
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