絵日記 日日平安 2013年04月
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僕らの夏 -ゲンゴロウの銀塩日記 vol.127-

 最近、中学生の息子がよく反発して母親とぶつかる。そういうお年頃なので、放っておけばいいのに、口出しするからなおこじれる。生活費の足しにパートに行っていることを捉えて、「もっと真剣に勉強して、いい大学行かないから、こんなところで働くんじゃ」という。返す言葉がない、と妻はいうがそういう問題でもないだろう。
 僕はほとんど漫画週刊誌を買ったことがなくて、ジャンプはごく小さい頃、散髪屋で読んだくらいだ。「ど根性ガエル」、「トイレット博士」の時代で、月刊の「けっこう仮面」は隠れて読んだ記憶があるが。。。。
 だから大学の講義の最中に、「週刊ジャンプ」のドラゴンボールを読んでいる連中がいたのには驚いた。大学生にもなって、ということだが、回してもらって読むと滅法面白い。だから僕も読むようになったが、息子に言うことがあるとすれば、大学でマトモに勉強できる精神力があるのは余程の人間で、そもそも、そういう人間は大学へいかなくとも自分で勉強できるだろう。大学なんて本当に大したものじゃないんだよ、ということだ。実は僕らの人生で、もっとも吸収する効率の高い時代に受験があるのは、本当にバカらしい、と最近思うようになった。
 ということで、今更だけれど、子供と「ドラゴンボールZ 神と神」を見に行った。映画自体は色んな評価はあると思うけれど、僕自身はまあ、あんなものだと思う。とにかくキャラクターを全部出して、同窓会みたいなものだったけれど、初期のドラゴンボールの世界観がよく現されていた。ドラゴンボールの世界観って何だっけ?ある意味本当にバブルな物語だったかも。
 本当は7つのドラゴンボールを集める過程で起こる色んな冒険をめぐる話だったはずが、いつのまにかフリーザや、セルのように際限なく強敵が現れて、悟空が修行して、打ち克ってみたいな無限に争い続ける話に転化した。読者の人気投票で常にダントツだったのはピッコロ、サイヤ人からフリーザまでだ。読者はフリーザのところまではついてきたけれど、魔人ブウの頃は実はもう惰性で読んでいた。この辛い状況に一番飽きてやめたがっていたのが作者の鳥山明だったろう。だから、魔人ブウ編では、本当にギャグマンガに戻ろうとする作者のあがきがあった。それが本当に辛そうで、漫画家の地獄みたいな心境がよく伝わった。「北斗の拳」の原作者にいたっては、後半は全く覚えていない、といっていたから、げに恐ろしきは「ジャンプ」の人気投票システムだろう。 
 それから離れて創ったこの映画、東日本大震災の影響で「街を破壊しないで」と鳥山氏との希望があり、人も街も、何も死んだり壊したりはしなかったけれど、ある意味自由なドラゴンボールの世界があって、鳥山氏が本当の意味で最終話にしたかったのは、「勝ち続けることは誰にも出来ない。でも絶望だけではなく希望もあるんだ」というこの話だったのかもしれない。
 僕は帰りの車で子供にいった。
 「職業なんてみんな、なりたいものになっているわけじゃない。みんな生きていくために仕方なく働いているんだ。大学で人生が変わることがあっても、決定するわけじゃない。今日見たドラゴンボールだって、お父さんは大学で始めて読んだ。講義の最中にみんな読んでいるんだもの。大学だって所詮そんな程度のものだ。大学で人生わかったような顔していても、実際働くのは大変だぜ。たとえパートであっても。」
 わかったのか、わかっていないのか、息子は一言もしゃべらなかった。

 どんなに ひろい川も 今ならこぎ出せる
 いつかきっと その場所へ 必ずいけるはず
 勝ち続けることは 誰にもできない
 なぐさめもなく ただ 立ちつくす
 でもすべてのことが 必ずその日々が
 かがやき始める いつの日か


 と小田さんは唄った。これはロボコンのテーマだったけれど、高校生、中学生の僕の子供に伝えたい、とするとこの唄だ。この僕たちの人生は終わりのない川のようなものだ。輪廻を繰り返し、宇宙が始まるその日まで、無限に生き続ける。気が遠くなるけれど。
 映画の終わりに破壊神ビルスが「私は12の宇宙のたった一つの世界の破壊神で上には上がいる」みたいなことを述べて、「わくわくしてこないか」という意味を言外に伝えていた。僕もできればこの人生、わくわくして終わりを迎えたい、と考えている。(ゲンゴロウ)

sakasakou
逆さこうもり傘
:尋ねた農家の納屋は、逆さの傘だらけ。ツバメ屋敷で車が糞だらけになるのを防ぐためだ。年をとるのは素晴らしい、と思う。どうして人はこんなにやさしくなれるのか。
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[ 2013/04/30 19:09 ] 銀塩日記 | TB(0) | CM(0)
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