絵日記 日日平安 2011年04月
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家族映画50本 vol.3

 「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」の3回目。

「若者たち」(森川時久)
 この映画の主題歌「若者たち」が僕は嫌いだった。

 まあ、「音楽の教科書」に載っていたからだろうが(教科書の「文法」で押し付けられたからだろうが)、「若者」という言い方が教条的で大嫌いで、またそのマイナー調のメロディを聴くだけで「あいつらが」「勝手に規定した」「僕たち」を想像し気持ちが悪かった。

 だが、この映画は素晴らしい。

 田中邦衛は、「北の国から」「若大将シリーズ」の青大将よりも、この映画が一番似合っている。佐藤オリエという「想い出にかわるまで」の母親役としてしか知らなかった女優が、この映画出身(つまり、早乙女愛と同じく、役名がそのまま芸名になっている)だということも知らなかったし、この映画における佐藤オリエはじつに美しい。また、山本圭の三男(三郎)が素晴らしい。

 きょうだいだけで暮らし、世の中と闘っていく物語は、93年のドラマ「ひとつ屋根の下」の元ネタともいわれ、確かにきょうだい同士の喧嘩シーンはそっくりだし、「あんちゃん=江口洋介」は田中邦衛そのまま、また、インテリの「ちい兄ちゃん=福山雅治」は山本圭である。山本圭自身が「ひとつ屋根の下」ではきょうだいを見守る医師の役をしているのも愛嬌だ。

 クライマックスのひとつ。物語の中盤、佐藤オリエ演じる妹が恋をする。相手は広島原爆の被爆者で、被爆者だから付き合うなと世間は、そして「無知」の兄はいう。だがそこで、原爆関係の本を調べまくった三男・三郎が妹をかばう。いま彼がちゃんと生きているのは幸運なことで、これから何の心配もないということだ、と。

 この、無知だけど妹を愛するがため交際を反対する兄と、ちゃんとした知識を得て賛成する兄がまた、「ひとつ屋根の下」につながる。「レイプされた妹を人目に出さないようにする兄」と、「裁判に出て、闘う力を持たせようとする兄」というふうに。

 ただまあ、新旧ドラマのつながりよりもここは、「原爆の被爆者を理解しようとする姿」の大事さのほうを伝えたい。こういう「感覚」の問題は、メディア、マスコミの問題というよりも、たとえばひとつの「家族の中でのものの見方」の問題だからだ。家族の中で差別があれば、当然、中の人は差別する。家族の中でしっかり認識できていれば、差別はなくなる。

 ということで、山田洋次の選んだ家族映画の中では一番素晴らしかった。主題歌は相変わらず嫌いだが(笑)。(管理人)
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[ 2011/04/30 21:24 ] 映画 | TB(0) | CM(0)
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