絵日記 日日平安 2011年03月06日
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岡本太郎の五冊

 岡本太郎生誕100年だそうだ。テレビでは「TAROの塔」なんてドラマをやっているが、岡本かの子役の寺島しのぶがそっくり、というか掴んでる感じ。太郎役も、大人役の松尾スズキよりも青年時代役の濱田岳のほうがハマっている感じがある。

 岡本太郎といえば、大学時代『自分の中で毒を持て』という本が座右の書で、明らかに価値観、生き方が変わった。その後も、大学図書館の書庫に眠る著作集を読みふけった。

 96年に亡くなってからブームとなり、絶版になっていた本が続々と復刊。たぶん90年代はベストセラー『自分の中に毒を持て』以外は一冊も出てなかったのではないか。当時所属していた会社が書店だったので、美術関係本の棚担当の先輩女性に新刊のたびに連絡をもらい、「社割」で買い漁った。

 ということで、岡本太郎必読のこの五冊。

『自分の中に毒を持て』
『日本の伝統』
『美の呪力』
『今日の芸術』
『沖縄文化論』

 厳選したわけではないが、岡本太郎本のあらゆるジャンルから一冊ずつ。
 『自分の中に毒を持て』は前述したが、「生き方」の本。といっても自己啓発本ではなく、岡本太郎、生き方の哲学が凝集した「ことば」集。「生の瞬間瞬間に賭けろ」「人生は積み重ねじゃなく、積み減らせ」「好かれようと思うな。人から嫌われるようになれ」等々、逆説でもなんでもない、重要なことばが並ぶ。

 『日本の伝統』では日本の縄文文化や尾形光琳や庭園の美を再発見、『美の呪力』では巨石や太陽、火、仮面など原始的、プリミティブな美を語る。「法隆寺は焼けてけっこう」なんて過激なことばも並ぶが、内容はいたって真っ当、というか人間存在をむき出しにする美の本質を物語る。真っ当といえば本人は怒るかもしれないが。

 『今日の芸術』では、「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」。一見芸術論だが、これは『自分の中に…』の変奏曲、生き方の本。

 『沖縄文化論』にはしびれた。岡本太郎の文章はどれもくせがあり、確信的な力強さに溢れているのだが、この本はその中でもっともパワーがみなぎっている。久高島の大御嶽(ウタキ)を訪れ、なにもないことのもごすごさ、たとえば石をひとつ置いてあるだけで「奉り所」であることのすごさを語る。

 どの本もそうなのだが、岡本太郎はフランスに留学したとき、美術は勉強しないで、哲学と民族学を学んだ。「人間は演繹的であると同時に帰納的でもなければならないから」というのが理由で、それは今日の芸術家にもっとも必要なこと(つまりは哲学や民族学など「ひとを見つめる学問」で帰納したものを表現する)だと思う。またそれは、芸術家だけでなく、日常に何か表現するひとなら誰でもやるべきことなのである。

 上記五冊、どれも文庫化されている。必読。(管理人)
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[ 2011/03/06 16:20 ] | TB(0) | CM(0)
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