絵日記 日日平安 2011年03月
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「まぜこぜ」の日本の傑作小説『勇魚』

 体調が8割くらい復帰した上、年に数回の残業を珍しくしてしまったので、今日はなんとなく一人で京橋O虎へ。どうしても抜けられない会合があり、やむなくアルコールは先週解禁にしてしまったが、こうしてフリーで飲むのは久しぶり。ちゃんぽんより早かった。

 久々の焼き鳥屋はバアさん姉妹も妙に優しく、地震や病気の話をひとしきり。地震の当日(金曜)は、「大丈夫か、つぶれてないか!」なんて電話がお客から続々入り、結局、その夜は帰れない客たちで満杯、そういえばウチの会社からも歩いて来れたなぁ、来ればよかったなぁなんてことを思い巡らせた。

 病気のあいだに読んだのが、C.W.ニコルの『勇魚』。勇魚(いさな)とは鯨のことで、舞台は江戸時代もっとも栄えた捕鯨の村、太地町。この小説がまた、じつに、まさに立派な傑作「時代小説」だった。
 驚くことに、ニコル氏はこの小説を書くために1年間、太地に住んでいる。日本人とかどうかではなく、本当にこの国の文化を知ろう、理解しようとする態度だけでももう、その辺りの日本人を軽く超えている。

 太地には一度行ったことがあり、まさに「捕鯨の町」をみるためだった。残念ながらクジラ料理も冷凍中心でそれほどでもなかったが、伊勢志摩という「都会」から、尾鷲、熊野、新宮、そして太地へと延々と続く半島の果てに続く道はなんとも感慨があった。でもその先に、あの「絵巻」にあるような捕鯨文化があるなんてまずは信じられなかった。「海民」日本人の歴史はまだまだ見知らぬ歴史なのである。

 で、この小説、誰か映画(大河ドラマでもいい)にしてもらえないだろうか。いま「ブレてる」日本人とか、日本の誇りとか、そういった失くしつつある大事なことを、この物語を画にすることによって、そしてそれを観客がみることによって絶対取り戻すことができる。そういう「国家的意思」の原作を書いたのがイギリス人だというのがまた愉快ではないか。

 そういう力がこの国家を甦らせるのだと思う。だからまず、この「まぜこぜの」日本の小説を手にとってほしい。(管理人)
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[ 2011/03/29 22:58 ] | TB(0) | CM(2)
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