絵日記 日日平安 2009年09月
FC2ブログ
2009 081234567891011121314151617181920212223242526272829302009 10

ラッセル『西洋哲学史』(みすず書房・全3巻)

 10月から山崎豊子作『不毛地帯』がドラマ化される。それに合わせたわけではないが、原作を買い込んで読み始めた。同著者の『大地の子』もそうだったが、小説では主人公(やそのまわりの日本人)が、ソ連や中国の理不尽な「暴力」にさらされる姿が、これでもかという描写で描き尽くされる。「敵対国」とはいえ、当時の、つまり戦前戦後から冷戦時代、文化大革命における「人権」とはその程度の扱いだったのだろう。

 ただ、思想とは進化するものである。それから20年足らずで、ある国が他国の人間を「監禁」「収容」「抑留」したり、「強制労働」させたりすることはあり得なくなった(普通の文明国なら)。それが人権思想の進化というものである。社会主義国が崩壊していったのも、社会主義というより、それに付随した「独裁」や「暴力」による人権無視の政治が「思想の進化」に耐え切れずに起こった必然だったわけである。

 7月からのドラマ「官僚たちの夏」では、公害対策基本法の成立の過程が詳細に描かれていた。それをみると、公害発生からその対策法までのスパンはそう長くはなく、さらに施行から廃止まではたった26年。問題が「公害」から「環境」に移ったためである。この間の状況の変化はめまぐるしく、「思想の進化」が追いついていないといえる。そんな状況が、最近の地球温暖化論議(地球は暖まっているのか、冷えているのか等)やCO2論議の不確かさを証左しているような気がしてならない。

 このような議論の「不確かさ」が政治や宗教や金融、またはある種の組織などに利用されることないように、しっかりと理論武装していく。そのために、人間の数千年の叡智の積み重ねである思想書を手にとってみる。

 そう考えて衝動的に買ったのが、ラッセル『西洋哲学史』(みすず書房・全3巻)。第2巻の裏表紙にこうある。

 バートランド・ラッセルの「西洋哲学史」は貴重な書物である。この偉大な思想家ラッセルにおけるすばらしい新鮮さと独創性、換言すれば、過去の遠い時代や異質的な精神にたいする感情移入の鋭さについて、私はいかにそれを頌えるべきか、言葉を知らないくらいである。現代――この、かくもドライで野蛮な時代においてすら、かくも英知にみち、信頼に値し、徹底的であり、しかもヒューマーにみちあふれた人間が存在することを示し得るのは、幸福である。この本は党派や見解のもろもろの闘争をはるかに超越し、もっとも深い意味で教育的である。(A.アインシュタイン・1946)

 実際、本を開いてみるとこれは確かにおもしろく、深い。
 今年の秋はこれを座右に置くことに決めた。


追記 国外脱出のため、しばらくサバラです。また次回。

スポンサーサイト



[ 2009/09/18 15:32 ] | TB(0) | CM(0)
プロフィール

倉田和人

  • Author:倉田和人
  • FC2ブログへようこそ!
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カレンダー
08 | 2009/09 | 10
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索