絵日記 日日平安 2008年07月
FC2ブログ
2008 06123456789101112131415161718192021222324252627282930312008 08

相撲を見る/相撲の本を読む -好日読書 vol.31-

 最近の(かなり大きな)楽しみに「大相撲」があります。
 何となくテレビの中継を見ていたら、子供(5歳)が興味を示しました。「月刊大相撲」などを買い与えるとそれも詳しく読む(というか見る)。こちらも嫌いではないので、久々(千代の富士全盛時代以来なので20年ぶり)に、熱心に見るようになりました。

 5月の夏場所に、生まれて初めて、両国国技館に観戦に行きました。せっかく行くのだからと、事前に本を購入、勉強することにしました。以下がその一覧です。

「月刊相撲」(ベースボール・マガジン社)
「月刊大相撲」(読売新聞社)
 雑誌です。「基本」という感じですが、買ったのは初めてです。どちらも似たような内容で、本場所前の「X場所展望号」と本場所後の「X場所決算号」が交互に出ます。(平成20年5月号は「夏場所展望号」6月号は「夏場所決算号」)
 「夏場所展望号」で誰一人注目していなかった琴欧洲が優勝したりしたので、この「展望」もあまりアテにはなりません。(予想とはそういうものかもしれない)

『相撲観戦入門'08』(ベース・ボールマガジン社)
「月刊相撲」を出しているBBM社刊行のムック。初心者向けでわかりやすい。国技館内の写真なども豊富です。舞の海秀平さんの「ここを見れば、相撲が分かる」がとても参考になりました。

『図解 平成大相撲決まり手事典』(新山善一・著 琴剣・絵 国書刊行会)
 相撲の全決まり手を解説した本。決まり手は次第に増えて(平成13年にも増えている)現在82手あるそうです。
「おっつけ」とか「引き落としとはたき込みの違い」とか、わかっていそうでわかっていなかったことがよくわかりました。

『大相撲の経済学』(中島隆信 ちくま文庫)
 この中ではこの本が一押しです。
 経済学の目で相撲界を分析した本で、力士の所得のしくみ、相撲部屋の収支、年寄株とは、特殊なチケット販売制度、などなど相撲好きには興味深い話題ばかりです。通して読むと「相撲界という社会システム」が全体のバランスをとってそれなりにうまく動いていることがよくわかります。
 話題の選び方といい書き方といい、この著者も相当の相撲好きとわかり、好感が持てます。
 私の相撲に対する態度は「朝青龍支持」「力士は強ければよい」「外国人超OK」「八百長やむなし」なのですが、中島さんも比較的近い意見を持っておられ、そこもうれしいところです。「伝統は一度破壊してしまうと元には戻らない。大相撲の強みは文化性であって競技性ではない」という文章には深く感銘を受けました。

『力士の世界』(33代木村庄之助 文春新書)
 33代立行司木村庄之助による相撲入門。行事生活52年、相撲界の生き字引のような方ですが、マニアックな内容ではなく、どちらかというと初心者向け。もちろんそれでも十分おもしろいです。

『大相撲 大変』(松田忠徳 祥伝社新書)
 「温泉教授」松田さんによる相撲エッセイ。
 内の父親を見るようなウルサ型の相撲ファンで(父は「垣添の仕切りはせっかちでいかん」「把瑠都はあんな相撲じゃダメだ。あそこの親方も現役時代はダメだった」など口うるさく観戦)そういう「一類型」を知る意味ではそれなりにおもしろい。松田さんは温泉ではなくモンゴルの専門家だそうで、モンゴル相撲を詳しく紹介してくれているのはよかったです。

 こうして万全の「予習」をつんで望んだ国技館ですが、非常にすばらしかったです。2階席だったのですが、土俵は結構近く(野球よりはるかに近いと思う)力士のぶつかる音や会場のどよめきがリアルに聞こえます。取組も安馬が若ノ鵬を豪快なうっちゃりで下したりして、見ごたえがありました。(この相撲で安馬は技能賞を受賞、負けた若ノ鵬はくやしくて風呂場の壁を殴って破壊、警告処分になりました。でも名古屋ではしっかり借りを返してましたね。)
 終了後「ちゃんこ霧島」でご飯を食べたのですが、元霧島の陸奥親方ご本人が顔を見せてくれ、周囲のお客さんともども大興奮でした。子供も満足し、秋場所もぜひ行こう、ということになりました。

 この原稿はこれで終わるつもりだったのですが、書店で『親方はつらいよ』(高砂浦五郎 文春新書)を見つけました。朝青龍騒動でも話題になった高砂親方(元大関朝潮)による本です。私は親方の現役時代からのファンなので早速購入。
(現役時代の朝潮を描いたというかからかったマンガ『ワイはアサシオや』も復刊されました。これも懐かしい)
 のらりくらりとした内容かと思いきや、弟子の指導方法や時津風問題に対するコメントなど、筋の通ったしっかりしたもので驚きました。(って失礼ですね) 朝青龍騒動のことも率直に語られていて、純粋で直情的な性格ゆえに日本中から袋叩きにあう若者朝青龍と、それに伴う親方の苛烈な体験がすぐそばに感じられます。
 あとがきをなんと朝青龍関本人が書いていて、これが二人の信頼関係をうかがわせる名文です。
 名古屋場所は白鵬の全勝優勝、大横綱の風格さえ漂う圧倒的な強さでしたが、やはりライバルがいないとおもしろくありません。
 朝青龍関も高砂親方も断固応援しますので、とにかく秋場所がんばってください。(読書一郎)
スポンサーサイト
[ 2008/07/31 20:55 ] 好日読書 | TB(0) | CM(0)
プロフィール

倉田和人

  • Author:倉田和人
  • FC2ブログへようこそ!
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カレンダー
06 | 2008/07 | 08
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索